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クラーリョとしてエジプトに転生

はるか昔、紀元前エジプトの近くの小さな王国にクラーリョという名前で生まれました。
神と通じながら政治(まつりごと)を治めていました。

見なさい、太陽を。
この中天に輝く太陽は、自らのために光輝いているのではない。あれは光輝いているけれど、それは自分のためにはまったく無価値だ。
だが、この世を照らしこの世を真昼にし、人や万象を抱き暖める。この価値のゆえにこそこの太陽がある。

だから人々よ、よく聴きなさい。
あなた方、自分のために生きていることは無価値なのだ。
あなたがもし価値あるとしたならば、男の人なら妻にとって価値がでる。子供にとって価値がでる。自分だけでは無価値でしよう。
ただ生きているに過ぎないでしょう。 しかし、これがもし価値あるとしたならば、自分以外のものの中に生きてこそ価値があるのだ。
そして、その基本は愛だ。

また、よく聴きなさい。
野の花を見よ。野の花は、風の力を借りて野に満ちる。
また蝶や蜂の力を借りて実を結ぶ。同じように人もまた、持ちつ持たれつ。
ある時は人のための風となり、人のための蜂となり蝶となる。
また持ちつ持たれつの世であるがゆえに、人に風になってもらい、また蝶や蜂になってもらって、あなたは心に実を結ぶ。

クラーリョは決して王の座に君臨しない。
王冠が権力の象徴である限り、私には相応しくない。だから私はこの王冠は生涯かぶることをしない。
さらに私たちの使うこの会堂。世の王座は高きに位置して見下している。私にその王座は相応しくない。だから私の王座は低いところにあって、私は民を見上げよう。
私は民の声を尊重する。民のために政(まつりごと)をする。民を生涯の伴侶とする。民の幸せを願って私は神に祈る。
そして、民のために私は神の導きをうける。民とともに生きることを私は目的とする。だから、私の王座は低いところでいいのだ。

さらに我が国民にいう。
わが国は剣を捨てよ、永世中立を保とう。そして、私の国と国境を接するすべての隣国に対して、脅威のない隣国、信頼すべき隣国、また愛すべき隣国、助け合うべき隣国、侵すべからざる隣国として国境を接するすべての国々と愛と信頼を基として、永遠の契りを結ぶ。
だから、私の国は永遠だ。私の国と国境を接している国は、一番安全な国境だから大切にしょうとする。
だから誰も私の国を攻めない。
私の国を攻めて取ったならば又、脅威ある国と接しなければならないから、私の国と国境を接する隣国は私の国をかけがいない国とするだろう。

私はそのために来たのだから、あなた方は決して知恵や知識でもって幸せを求めてはいけない。
人が知恵をもって幸せを求めるとき、人は知恵に溺れ、溺れた知恵は自我を拡大させて決してあなた方は幸せにならない。
だから知足。足ることを知りなさい。そして天の心を地にもって補い合い、助け合って、祈り合いなさい。

これがクラーリョの心です。

 

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