森繁久弥(1913-2009)日本映画界を代表する俳優であり、「知床旅情」を作詞・作曲したことでも有名である。 

 私同様、戦前から戦中、戦後を経て現代に至る激動の世を生きて来た老人の目で見る未来は、絶望的だ。
 しかし、本当にそうなのか?   
  今、同じ老人の目で未来を見据える私の目には、欲や思惑や煩悩のかけらもなく、澄んだ心の水晶球には未来を透視できる神秘な能力があり、中心に未来の像を結んで、現代から未来に希望の虹がかかっている。
何故なら、私には自分の心の真中の真芽なるものが、宇宙の大意識、つまりサムシング・グレイトとコンタクトする能力を有するがゆえに、地球の未来が人によって滅亡するのでなく、サムシング・グレイトの偉大な知恵と力によって何の矛盾もなく、その導きによって開放されることを知るからだ。

[汝に問う。この世の生きとし生きるものは、全て雌雄に分かれ、男女に分かれるは汝の知るところなり。ならばこれからの世は、全世界の男女が、一切の偏見やこだわりや怨讐を超えて、愛の名において一つに交わり、優性遺伝の中に繁栄せよ。しかして、互いに入り混じって交わることによって、国を超え、人種や民族といった差別を超え、信教や思想を、偏見や過去のしがらみや怨讐を超え、全人類よ、一つとなって睦み合え。それこそが世を新しくする初めなり]

もし、このように各国の男女が恋愛し結婚して、子を設けて家庭を作ることによって、互いの言葉や異文化を理解し、(科学が偏見をもたなかったがために、総合力を結集して大発展したように)、宗教も思想も、より人間を幸せにする考え方の一つと捉えるなら、互いにその存在を認め合い、良きところ悪しきところを知恵によって取捨選択するなら、その全ては人類の福祉につながるだろう。

今、ヨーロッパ諸国もユーロの中に一つに結ばれ、統一された通貨と、単に国境と記しただけの標識の中で、道路も列車も自由自在に交通して、従来の国家意識は全くなく、地球各国の未来のあり方を示している。最も大切なことはオリエント文明[東洋的精神]に目覚めることだろう。

東洋的精神とは、大自然の万生万物は互いが互いに依存しあって、互いの精妙なバランスを保って存在し、小虫一匹として不必要なものはない。という考え方であり、バランスが崩れることはやがて全てが崩壊する前兆であり、互いの存在を認めあうことから、永遠の調和と繁栄が約束されるとする精神である。

互いが互いの存在を認め合う限り、そこに両者の真中に線を引く公平無私の立場からの話し合いができるはずで、そこにあらゆる妥協と解決の道がある。
しかし、今まで世界を戦火の渦中に巻き込み、戦乱の絶えることのなかった西欧思想は相手の存在を否定し抹殺する思想であり、ここからの人類の平和と繁栄などあろうはずがない。

さらに最後にいう。自国の国策と国益を優先させる現在の国家制度の中で、その国が公平無私であらねばならぬ世界の警察がつとまるだろうか?

 


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