かつて、パンドラの箱の蓋が開き、中から人類の欲望や煩悩、偏見や闘争心といった罪と罰の全てが世に飛び出し、人類社会は混沌たる地獄と化した。
今や全くそのとおりで、そうした世を末法(まっぽう)と呼び、[世に道理がなく、不正が蔓延(はびこ)り、欲に飽くことがなく、性が紊乱(びんらん)し、人倫がことごとく地に堕ちる]という。
時代遅れの国家制度の中で人々は、領土や国策や国益や過去の恩讐で対立し、人種や民族の違いで軋轢(あつれき)をくり返し、人に幸せを与えるべき宗教や思想は、他の思想や宗教を認めず弾圧を繰り返し、やった・やられた。殺した・殺された。の歴史の繰り返しの中で修復不可能なまでに亀裂を深める。
しかも、この便利で快適な物質文明を維持するために、地球大自然を汚染してはばからず、垂れ流すエネルギーで地球は温暖化して両極の氷が溶け出して地球の水位を上げ、やがて低地は海底に沈むだろう。
さらに、文明が排出するフロンガスは極地上空のオゾン層に大穴をあけ、人間をはじめ生物に有害な放射線は地球に降り注ぎ、放出する二酸化炭素は雲を酸性化させ、降り注ぐ酸性雨が地球を金星のような死の星にしようとする。