このとき 人は 初めて 自らの煩悩を離れ 魂の故郷である 自然に還る
無我 無念 無想 の三昧。これが禅の目的なら、[心そこにあらざれば、見えども見えず、聞こえども聞こえず]の諺の通り、人は想念発生以前、つまり眼 耳 鼻 舌 身 という、肉体の五官の影響を享けなかった頃、更にいえばこの世に生まれる前の、心の原点である魂の次元に還ることができ、ここでは欲も得も、執着も煩悩も、色欲といった邪念も発生しないので心が調和され、常に安心決定の状態を維持することができるということ。
それではその行が私にとって、どれほどのメリットがあるのか、どれほどの重大な影響を及ぼすのか、次に記そう。