これは実話とは言わずおとぎ話として記そう。昔昔のその昔、エジプトあたりにクラーリョの王国があり、その王座は不思議なことに高座にあるのではなくすり鉢状の底にあった。

 なぜなら彼は神から遣わされた者であり、彼は人の上に君臨するために遣わされた者ではなく、人に仕えるために来た公僕であり、生涯王冠はつけることがなかった。

 その訳は旧約聖書で馴染み深いアブラムが、神に名付けられてアブラハムと改名したように。

 このように言うと、読者は一体誰から命じられてと疑問の声があがるだろうが、答えは神から命じられてと答えるしかない。

読者が、「どうしてそれが解る?」と再び質問を重ねられれば、「アブラハムとは字の通り(アブラとは父。父とは天にいます父、つまり神ご自身とハム、つまり通信可能の者、言葉を代えればコンタクト可能の者) という意味であり、当時の中東からエジプトにかけて存在するパラオやラージャン達は、真偽のほどは詳らかではないが神から選ばれた者として、神の意を帯びて政治(まつりごと) を行ったとされている。

 クラーリョも度々超高度な異次元に入り、神の意を体しては地上の民に仕えたに違いない。アブラハムもダビデもノアも、クラーリョも、神からの声を聴く時は謙虚に頭を垂れ、その声を全身全霊で享け留めて違えることは絶対にない。

 現在の政治家たちも、常に公僕を旗印に票をかき集め当選するが、事実は党利党略と私利私欲に終始して飽くことがない。恥ずべきことは、恥を知らずに厚顔無恥に行動することだ。  思えば幕府から大政奉還された明治維新の政治家たちは、武士として大義を重んじ不正を嫌い、正義を貫くためには切腹をも厭わなかったが、近年では永きにわたる一党支配に政治は腐敗して、民のための政治ではなく、政治家と官僚のための政治に変身し、やり放題し放題の自堕落な政治に終始して、民は置き去りだ。

現代の政治を垣間見るに、本音を隠して建前だけで討論して何が得られるというのか。それというのも、現代の内閣は早くて数ヶ月で解散し、日本の内閣ほど短命な内閣はない。

 だからその間、何とかお茶をにごせば後はどうでもいいと無責任で、派閥を中心とした内閣のたらい回しの茶番劇に終始する。

 よく聞きなさい。
 現代の日本の現状は皆ここに起因し、政治家でさえこの刹那主義に終始していて、国がなぜ100年の大計が建てられようか。

 回顧すれば幕府から大政奉還されて忠君愛国に燃えに燃え、世界に肩を並べる軍事大国日本を完成させた当時の志士たち。

 その結果世界を敵にまわし、ついには原爆の洗礼を二度も享けて敗戦の憂き目をみ、過去の過ちを二度と起こさぬ決意に燃えて、世界に先駆けて戦争を放棄した日本。
 日本は江戸幕府以来二度の変革を余儀なくしたが、日本が今選んだ道こそ日本が選ぶ真なる道だろうか?

 違う。

 神が選ばせようとした道は、日本はスイスのような永世中立国を目指し、その国土に一切の国の駐留を許さず、他の国が困ればいかなる国にも一切の差別なく援助を惜しまず、原爆の洗礼を享けた唯一の被爆国として、原爆の悲惨さと非人道性を声高らかに世界に訴えられる権利を有する国なのだ。

 昔あったクラーリョの王国は正にその姿で、彼の王国と隣接する国々は最も安全で心許せる国境なので、彼らはこぞってクラーリョの国の存在を喜び尊敬したという。

 それで日本の経済が成り立つか?成り立つ。なぜなら今のように米国偏重ではなく世界を相手国として貿易がなされるからだ。

過去日本はソビエト連邦との間に密約があったと思う。それはアメリカが日本を独立させ、軍隊を日本から撤退させれば、ソビエト連邦も北方四島を返還してもよいという密約があったはずと私の霊感は私に囁く。

 いかに日本が独立を果たしたように見えても、事実は米国の占領軍が駐留し続けて、ソビエト連邦が日本に北方領土を返還すれば、米国がたちまち共産国に対する軍事基地とするのを恐れて話し合いに応じないのだ。

 


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