侘しい、空しい、寂しい、当り前だ。何故なら、お前こそ宇宙の孤児、宇宙のさすらい人。
見よ。お前の人生には道標なく寄る辺もなく、死ねばお前の肉体は腐り果て面影もなく消滅して、すべては縁ある人々の記憶の中にしか存在しない。
しかし、そんな私もこの生涯を賭けてやり抜こうとしたものがある。
それは自ら宇宙の孤児を任じる私が、母なる大地に立って天空の父の心と意志を求め、世を捨てて精進を重ねたもの。 それが真理の世界であり、私はその世界の追究に30年の歳月を賭け終に到達した。そして解ったこと。
この世に聖者や神の生まれ変わりの人がいたら是非会いたいものだ。何故なら私が30年の年月を重ねて精進をしても、心に煩悩の炎が完全に消滅したという自信はないし、凡夫が聖に変わったという自覚もない。
だから、聖者や神の生まれ変わりという人がいたら、その人の生活全般に付き添い、その日々が聖に貫かれていたら私は愚のまた愚、凡のまた凡と私は恥じ入り、私を鞭打たなければならない。が、人が肉をもって生きる限りそれは不可能だということは自身の心が解っている。
だが、それなればこそ私は謙虚に精進を果たし、無限の深化を遂げる。